だんだん高度なゲームに挑戦していってますが今回はいよいよSpace Invaders(スペースインベーダー)を作ってみたいと思います。今回もゲーム作りにはSCRATCHを使います。
Space Invadersとは

これまでこのブログで制作してきたPONG(1972年)やBREAKOUT(1976年)は共に商業的に大ヒットしたゲームですが、どちらもアタリ社というアメリカの会社が開発したものでした。これはただの偶然ではなく、当時のゲーム開発の中心地はアタリ社であり、アメリカだったということですね。
この流れを変えた一つの大きな出来事だったと思うのが今回制作するSpace Invadersで、このゲームは日本のタイトーが開発しました。そしてこれ以降、日本メーカーが世界のゲーム産業を引っ張っていくことになります。(もちろんこのゲームひとつで世の中の流れを全て変えたということではなく、あくまでターニングポイントのひとつになったという意味です。)

当時多数のインベーダー模倣ゲームが出て訴訟になったり、若者がゲームセンター(当時は喫茶店にテーブル型の筐体が置いてあることが多かったのでゲーム喫茶、インベーダー喫茶といった方が実態に近い?)に入り浸るのが問題になったりと大きな社会現象になりました。何故これだけ(特に若者に)Space Invadersは受け入れられたのでしょうか? ネットの記事をいくつか確認してみましたが、概ね以下のような理由ではないかと思います。(実際にどんなゲームか知らない人はYouTube動画を貼っておくので参考にしてみてください。)
- 敵が弾を撃ってくるようになり、ゲームがよりスリリングになった
- 敵を倒せば倒すほど敵がスピードアップしていく点もスリリング
- 積極的に敵を倒しにいかないといけないゲームデザインがゲームに動きをもたらす(敵を倒さなければすぐに敵に占領されてゲームオーバーになる仕組み)
- 独特の4拍子のBGM(と呼ぶべきか?)
- ハイスコアを画面上に表示
- (副次的な要因として)通称「名古屋撃ち」などの攻略法が次々と発見され、腕前によって長時間プレイできるようになった

今から考えるとちょっと驚きですが、当時はシューティングゲーム的なものといっても単なる的当てのようなゲームが多く、時間制限内にどれだけの的を当てられるかを競うのが一般的だったようです。「敵が弾を撃って攻撃してくる」「こちらが手をこまねいて何もしないでいるとゲームオーバーになる」という仕様は今では当たり前ですが当時は画期的だったようです。つまりこのゲームがシューティングゲームのひとつの基本形を示した、ということでしょうね。

なお、Space Invadarsは前回のブログで制作したBREAKOUTを超えるゲームを作れという指示のもとで開発されたようです。それもあってか何となくBREAKOUTと共通するところもありますよね。インベーダーが隊列を組んでいるところとか、弾を撃ってその隊列を消していくところとか。また、プレイヤーのテクニック次第で長く遊べるゲーム性や、インベーダー(BREAKOUTならブロック)を消していく順番によってゲームの展開がその都度変わるというのもBREAKOUTと共通する部分ですね。
Space Invadarsのゲーム仕様を書き出してみる

Space Invadarsの仕様ですが、さすがにここまで来るとかなり複雑ですね。ちょっと量が多いですが我慢してください。なお、これまでの記事でもマーカーの黄色、赤、青で固有名詞を色分けしてきましたが、もう3色では足りなくなってきましたので、複数の固有名詞を同じ色に割り当てています。ご了承ください。(このブログで選択できるマーカーが3色しか無いので。)
- 一人で遊ぶ
- 画面下部のビーム砲(自機)を左右に動かしビームを撃って敵を倒す。倒した敵に応じて得点が入る。1,500点で残機が1機増える
- 敵は一定時間毎に単体で現われるUFOと、隊列上に55体が配置されるインベーダーから成る
- UFOは画面上部に現われる。UFOの得点は可変。UFOはビームを撃たない
- インベーダーは3種類あり、その種類毎に倒すと得点が入る。インベーダーは下に向けてビームを撃つ。ビーム砲に当たると自機が1機減り、残機がなくなるとゲームオーバー
- インベーダーは倒されて数が減るほど高速に移動する。インベーダーは徐々に下段に降りてくる。画面下のビーム砲がいる段にまで到達すると(ビーム砲の残機が残っていても)ゲームオーバー
- インベーダーを全て倒すとステージクリア。ステージ毎にインベーダーの初期配置が変わる(基本的には1段下の位置から始まる)
- ビーム砲:プレイヤーが操作する砲台。初期位置は画面下側の左側
- ビーム(自機):ビーム砲から発射され上に向かって移動し、物体に当たると消滅。画面上にひとつしか存在できない(消滅してからでないと次のビームは撃てない)
- ビーム(敵機):隊列一番下のインベーダーから発射され下に向かって移動し、物体に当たると消滅。インベーダー隊列の各列につきひとつのビームしか存在できない。ビーム形状は3種類
- インベーダー:画面やや上部に縦5×横11の隊列上に表示。3種類ある
- UFO:画面上部に一定時間毎に現われ左右に移動。なおインベーダーの残機が一定数まで減ると出現しなくなる
- トーチカ:ビーム砲のやや上方に4つ配置される防護障壁。移動はせずビームやインベーダーとの接触により削られていく
- スコア表示:プレイヤーの得点表示と、ハイスコアの表示
- 残機表示:プレイヤーが失敗できる残り回数を表示。初期値は3
- ビーム砲はプレイヤーにより操作される唯一のもの。左右移動のみ可能で、またビーム(自機)を発射できる
- ビーム(自機)はビーム砲から発射されて上方向に向かって移動する。物体に当たると消滅する。当たったものがトーチカならトーチカの一部を削る。当たったものが敵(UFO, インベーダー)なら得点が加算される
- ビーム(敵機)は隊列の各列一番下のインベーダーから発射され(少し離れた位置より)下方向に向かって移動する。物体に当たると消滅する。当たったものがトーチカならトーチカの一部を削る(ビーム形状の種類により削り方を変える)。当たったものがビーム砲なら残機を1機減らす
- UFOは画面上部の(ランダムに)右か左の端から現れ、逆方向の端まで横移動する
- インベーダーは最初右側に移動し、隊列一番右側のインベーダーが画面右端まで来ると一段下に降り、次に左方向に移動する。隊列一番左側のインベーダーが画面左端まで来ると一段下に降り、次は右方向に移動する。以下これを繰り返す
- 4拍子のBGM(インベーダーの数が減るとテンポが上がる)
- ビーム(自機)が発射されてから移動している間の音
- ビーム(自機)が敵(UFO, インベーダー)に当たった音
- UFOが出現している間の音
- ビーム(敵機)がビーム砲に当たった音 or インベーダーに自陣を占領された音
- 画面上、スコア表示と残機表示以外は全てクリアし、再度ゲームの最初に戻る。この際、面数によってインベーダーの初期位置を変更する
- 初期画面:スコア表示や、各敵毎の得点リストなどを表示する
- ゲームオーバー画面:画面上部に「GAME OVER」と表示する

上記の仕様はおおむねオリジナルのSpace Invadarsに従ったつもりですが、一部簡略化したり改変したりしています。(あと、途中で改良されたり、コピー品も大量にあって何が本当のオリジナルか分かりにくくなっているので、オリジナルのつもりがそうでない仕様を採用している可能性も少しあります。)
さあ、今回はここまでとします。次回からはSCRATCHを使ってゲームを作って行きたいと思いますが、上記の仕様をいきなり作りこむと少し大変になりそうなので、今回は今までより少しステップを多めに刻んで少しずつゲームの部品を組み上げて行こうかなと考えています。
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