前回作ったPONGに引き続き、今度はBREAKOUT(ブレークアウト)を作っていこうと思います。
引き続きゲーム作りにはSCRATCHを使います。
BREAKOUTとは

BREAKOUTはPONGと同じくアタリ社が開発したゲームで1976年にリリースされています。PONGは二人でボールを打ち合うゲームでしたが、BREAKOUTではテニスの壁打ちのように一人で遊びます。
この1970年代半ばというのはゲームを電子回路で作るかプログラミングで作るかのちょうど転換点で、電子回路で作るBREAKOUTは当時としても単純なゲームに分類されていたようです。ただ、後述するように単純な中にも(当時としては)爽快感が得られるゲームになってます。
また、アップル社のCEOとして世界中にその名を知られたスティーブ・ジョブズ氏が開発の一部に関わっていたという逸話も残っています。
例によって、YouTubeの動画を貼っておきます。

PONGと同じくBREAKOUTも超シンプルなゲームですが、何が(当時の)人々を熱狂させたのでしょうか? PONGの時と同じくこのゲームのポイントとなる点を挙げておきます。必ずしもこのゲームが最初という訳では無いものも含まれているかと思いますが、これらを完成度高く盛り込んだ点が商業的な成功に導いたポイントではないかと考えます。
- 残機の概念が登場し、3回まで(とか5回まで)失敗が許されるようになった
- 上記と関連し、時間制でゲームオーバーになるのではなくゲームが上手ければより長い時間遊び続けられるようになった
- ブロックを壊していく過程が毎回異なることにより、毎回違ったゲーム展開がある
- ブロック上部の空間にボールを入れると(ブロックの残り方によっては)連続してブロックが壊れる爽快感を味わえる
ブロック崩しのゲーム仕様を書き出してみる

さて、日本ではBREAKOUTという名称はあまり馴染みがなく、一般的には「ブロック崩し」という名の方が親しまれていると思いますので、このブログでもこれ以降、オリジナルのBREAKOUTのことを特定して話すとき以外は「ブロック崩し」という名称を使っていきます。
今回も、ブロック崩しのゲーム仕様を書き出してみたいと思います。(一部オリジナルのBREAKOUTとは異なるものもありますが、SCRATCHでのゲームの作りやすさや現代においての分かりやすさなどを考慮して改変しています。)
- 一人で遊ぶ
- パドルを操作し、ボールを跳ね返す
- パドルでボールを跳ね返せなかったら残機が1機減る。残機ゼロでさらにボールを跳ね返せなかったらゲームオーバー
- ボールがブロックに当たったらブロックが消える。ブロックを消す毎に得点が入る
- パドル:プレイヤーが操作する棒状のラケット。初期位置は画面下側の左右位置は中央付近
- ボール:初期位置は上下中央付近の左右ランダム。ゲームが始まるとまず下側方向に動き出す
- ブロック:これにボールを当てると得点が入る。画面上部に横14×縦8=112個配置
- プレイ領域:今回縦長のプレイ領域とするため、白枠で囲う
- スコア表示:ブロックを壊したことで入った得点を表示。初期値は0
- 残機表示:プレイヤーが失敗できる残り回数を表示。初期値は4
- パドルはユーザ操作によりゲーム領域の左端から右端の範囲で左右にのみ動ける
- ボールはゲームが始まると初期位置からある一定の角度をもって下側に動き出す(おおむねナナメ方向で、細かい角度はランダムで決める)
- ボールはパドル、ブロック、ゲーム領域の白枠に当たると跳ね返る
- ボールはパドルに当たった際、そのパドルの位置によって跳ね返り角度が変化する
- ボールはパドルで跳ね返せなかったら一旦画面から消して、再度ゲーム開始時と同じように初期位置から動き出す。この時残機が1機減る
- ボールは壊したブロックの色に応じてスピードアップする。残機が減るとスピードは初期値に戻る
- ボールがゲーム領域の白枠に当たる音(少し高めの短い音)
- ボールがパドルに当たる音(高めの短い音)
- ボールがブロックに当たった音(低めの短い連続音)
- 画面上の全てのブロックを消したら、一旦ボールを消し、再度ゲームの最初に戻る。その際、得点や残機の数は変更しない
- 初期画面=ゲームオーバー画面とし、パドルがゲーム領域の端まで伸びて画面下にボールが落ちなくなる
- ボールはブロックを通過してブロックも消えない

さあ、今回はここまでとします。次回はSCRATCHを使ってゲームを作ってみましょう。なおPONGで一度作ったものが再利用できますので、PONGと同じ説明は今回は割愛させてもらう予定です。良く分からないと思ったら一旦PONGの回を読み直してみてください。それでも分からない場合はコメントで質問してください。
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